オガワンダー

31 既婚 リーマン アホみたいなタイトル

小川の福音書(中2)

父よ!世界はいま曇天の中にあるのだ!

諸君。今しがた私が嘆いたのは、貧窮の所為でもなければ原罪への懺悔でもない。つまりはストラップへの渇望である。

私は一つのストラップを欲した。父の名の元に誓おう、私がストラップ以外の物に心奪われてはいないことを。

ストラップのみが私の望みであり、全ての源なのだ。それ以外は全てをなげうって、洗礼を受けたって構いやしない。

私はハンドストラップを欲した。(デジカメとか買った時に付いてる、手首にかけられるような物だ!)

しかし、昨今の百円均一には取り扱いが無かった。飽くことなき渇望から3店舗回った。しかしついには、いくら市街を闊歩しようとも、彼との出会いは生まれ得なかったのである。

恋は罪悪である。私からストラップが離れれば離れるほど、私の心はストラップに縛られ、最後には憎しみに変わったのだ!(雨が虹を呼ぶ事も忘れてしまった!)

正直に言おう、しょうもないストラップなら売ってた。なんぼでもあった。首から掛けれる長さのやつとかはあった。マジでマジで。しかし、ついぞ手首にかけられるものとは出会えなかったのである。最近は売ってへんねん、あれ。

私はストラップが手に入らない事を嘆く者ではない。今一度、大地に誓おう。そう、私はストラップが手に入らない事によって、自身の中の物欲あるいは執着といった類のケルベロスが育った事を嘆いたのである。

あなたは終末を知っているか。いや、誰一人、それを知りはしないだろう。(未だ起こっていない事は誰にも知り得ないのだから!)

しかし私もあなたも、ハンドストラップは知っている。知っているものが手に入らない。なんと悲しい事が。引き裂かれた叔父と甥のようではないか。私はついぞ、叔父と甥を引き合わせる事ができなかったのである。

結局は「もうええわ」感から、ブックオフで立ち読みして帰った。その本はあんまりおもしろくなかった。